ゾクゾクする

ho-book2005-08-25

グロテスク」 桐生夏生著

分厚い本を最後まで読んで、いやいやこの終わり方はどうなの?と思いながら他の人のレビューを読み漁ったら皆意外と高評価でした。たぶん、僕のが納得できないのは若さと男性の視点から読んだせいだと思います。一言で言えばドロドロ。暗い上に救いはありません。生まれてきた時から美しく娼婦として生きて死んだユリコ、その妹と比べられ自分の世界に引きこもる姉、エリートの世界を目指し一流企業に入りそして娼婦の世界に足を踏み入れていく和恵、そしてユリコ、和恵を殺した犯人としてつかまっているチャンの4人の書記や語りで話は進んでいくきます。それぞれの食い違う主張、価値観の違い、そして壊れていく自分という世界。誰しもが抱えてるくらい部分というんでしょうかそのあたりが重点的に書かれています。誰しも抱えると思うというか僕はかなりこの主人公達側に近い気がして面白かったです(とはいえ娼婦になる根性はありませんけどね!)こういう人間の黒い部分が書かれている物語はものすごく好みです。ほら、昼ドラとか。あと、あいのりとか。