SF小説はめっきり減った

ho-book2005-07-27

ブルータワー」 石田衣良

主人公の瀬野周司は重度の脳腫瘍に侵されあとは死を待つだけという生活を送っていた。毎日に絶望し世界に絶望していたとき、突然猛烈な痛みに襲われ気がつくと現在よりも200年も先の未来に意識だけ飛ばされていた。その世界はウィルスに侵されており人々は巨大な塔に押し込まれれうように生活していた。そこでは支配階級がはびこっており塔の人々とウィルスが蔓延している塔の外の人たちとの争いが絶えず続いていた。そんな世界で周司は伝承にある救世主だと言われる。現代ではすべてを諦めていた普通の男が世界を救おうと立ち上がる。果たして周司は200年後の未来を救うことはできるのか?

池袋ウェストゲートパークで有名になった著者の長編SF小説。テーマ的にどうしても重くなりがちの話なのだけれども、構成はいたって単純、普通の男の周司が世界を救おうとするだけの話である。わかりやすく、王道の話の展開なのではなかろうか。冒険ものの話が好きな人は楽しく読めると思う。この著者の本はほとんど読んでいるのだけれどここ最近読んだ中では一番面白かったと思う。と、いうかこの人の本はところどころ微妙にエロい。